MAXI は8月30日の日本時間22時半頃、「いて座」で発生したX線新星を発見しました。この結果はすぐに連携観測をしているアメリカのSwift 衛星チームに知らされ、追観測により確認されました。MAXI で決めた位置は【赤経=18h36.5m, 赤緯=-19°24.6’ (2000年分点)】です。
この結果、X線新星はMAXI J1836-194 (ATel#3611)と名付けられました。
MAXI の発見後約40 分すると、その通知を受けたSwift 衛星チームからSwift衛星 のガンマ線検出器でも検出されたとの連絡が入りました。MAXI の発見から3時間半後に行われた Swift 衛星のX線望遠鏡により0.5秒角の精度で決定されたX線新星の位置は、【赤経=18h35m43.43s, 赤緯=-19°19’12.1” 】です。同時にその伴星の候補もSwift 衛星の光学望遠鏡により見つかり、その可視光の明るさは V=16.20 等級でした(ATel#3613)。この天体はX線はもちろん、可視光や赤外線のこれまでのカタログにはない、完全に新発見の天体でした。これでMAXI が発見したX線新星は5個目になります。MAXI の観測データによると8月29日には弱いながらもゆっくりと輝きだしたようですが、それほど急速にX線強度が強くならなかったために確認が遅れ、発見当時はかに星雲の強度の1/40程度でした。
このX線新星の正体はまだ謎ですが、各種の天文衛星や地上の光学望遠鏡、電波望遠鏡による追観測で明らかになることが期待されます。

MAXI は日本時間2011年8月30日の未明にX線新星を検出し(左図)MAXI J1836-194 と名付けた。MAXI で決めた位置(下図, 誤差を含め青丸)をSwift 衛星チームに知らせた後、Swift 衛星 のガンマ線検出器でも位置を決め(下図, 緑丸)て MAXI/Swift の共同で速報した(ATel#3611)。このX線新星は銀河面より南に 5.6度ほどの位置にある。

その後、Swift 衛星のX線望遠鏡で決めた位置(右図, 赤x)が確定位置として速報(ATel#3613)された。これは新天体発見後の位置決定における典型的なプロセスである。この真夜中 (米国は昼間)の作業に参加したのはMAXI チームから根来、森井、中平、Swift 衛星チームからはKennea 等であった。

上図はMAXI J1836-194のX線強度変化のデータである。X線は30日初め頃から増加したが、弱いままで推移したため日本時間22時25分(赤い矢印)まで発見が遅れた。しかし、Swift 衛星チームよりも先に発見したため、 MAXI の名前がついた天体になった。X線源はブラックホールか中性子星が関与しているようだが、正体はまだ解っていない。
追記
アメリカのRXTE 衛星の観測(ATel#3618)により、MAXI J1836-194 はブラックホールである可能性が示唆されている。(2011年9月1日 3:00 AM)