Archive for September, 2011

活発な太陽

Wednesday, September 28th, 2011

面白いX 線画像がとれました! せっかくなので科学成果ではありませんが、ニュースにしました。

最近、太陽の活動が活発です。

上の図はMAXI が観測した2011 年9 月24 日、1 日分のX 線全天画像です。赤が低いエネルギーのX 線青が高いエネルギーのX 線緑がその中間と、3色で色づけしています。

図中右上のが太陽のある位置です。太陽を直接観測すると観測装置がダメージを受けてしまうため、観測しないようにしています。

それにもかかわらず、太陽の周りには低いエネルギーのX線があふれ出しているように見えますね。

また、図中の左側には2本の赤いラインが見えます。これは宇宙ステーションの太陽電池パネルに反射した太陽X 線です!太陽活動が活発だと時々見えるのですが、ここまではっきり見えたのは今回が初めてです!

太陽は現在、11 年周期で訪れる活動の極小期から極大期になる途中です。今後ますます活発な姿を見せてくれるでしょう。

MAXI にとってはありがたくない事ですが・・・。         T.Y.

「けんびきょう座AU 星」からのX線フレアを検出!

Tuesday, September 6th, 2011

MAXI は日本時間2011 年09月03 日4 時9 分 に「けんびきょう座AU 星(※1)」からのX線フレアを検出しました。

「けんびきょう座AU 星」はdMe 型(※2) の主系列星です(距離32光年、8.6等星の赤い星)。

太陽と同じ恒星でありながら、太陽の数百万倍のX線フレアを起こします。MAXI はこのような恒星からのフレアを数多くとらえています。

これらを詳しく調べることにより、恒星の種類における活動の違いの解明に繋がることでしょう。また遠方のフレア星の寄せ集めにより「銀河系X線放射」が説明できる可能性があります。

MAXI によって恒星フレアの謎が解明される日を期待していてください!

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MAXI チーム T.M, K.Y, T.Y

注釈

※1 : この「AU」はけんびきょう座の中で変光が発見された順に「アルゲランダー記法」に従ってつけられたものです。

※2 : dMe 星とは「赤色輝線矮星」(d=dwarf=矮星, M=M型=表面温度は3500Kと低い, e=emission=輝線)と呼ばれる天体で、M 型の主系列星(ということは矮星)の中でも水素などの輝線を示す星を言います。強い水素輝線は星の活発な活動を示唆しています。

いて座に出現したX線新星を発見!

Thursday, September 1st, 2011

MAXI は8月30日の日本時間22時半頃、「いて座」で発生したX線新星を発見しました。この結果はすぐに連携観測をしているアメリカのSwift 衛星チームに知らされ、追観測により確認されました。MAXI で決めた位置は【赤経=18h36.5m, 赤緯=-19°24.6’  (2000年分点)】です。

この結果、X線新星はMAXI J1836-194 (ATel#3611)と名付けられました。

MAXI の発見後約40 分すると、その通知を受けたSwift 衛星チームからSwift衛星 のガンマ線検出器でも検出されたとの連絡が入りました。MAXI の発見から3時間半後に行われた Swift 衛星のX線望遠鏡により0.5秒角の精度で決定されたX線新星の位置は、【赤経=18h35m43.43s, 赤緯=-19°19’12.1” 】です。同時にその伴星の候補もSwift 衛星の光学望遠鏡により見つかり、その可視光の明るさは V=16.20 等級でした(ATel#3613)。この天体はX線はもちろん、可視光や赤外線のこれまでのカタログにはない、完全に新発見の天体でした。これでMAXI が発見したX線新星は5個目になります。MAXI の観測データによると8月29日には弱いながらもゆっくりと輝きだしたようですが、それほど急速にX線強度が強くならなかったために確認が遅れ、発見当時はかに星雲の強度の1/40程度でした。

このX線新星の正体はまだ謎ですが、各種の天文衛星や地上の光学望遠鏡、電波望遠鏡による追観測で明らかになることが期待されます。

    発見とその後の経緯


MAXI は日本時間2011年8月30日の未明にX線新星を検出し(左図)MAXI J1836-194 と名付けた。MAXI で決めた位置(下図, 誤差を含め青丸)をSwift 衛星チームに知らせた後、Swift 衛星 のガンマ線検出器でも位置を決め(下図, 緑丸)て MAXI/Swift の共同で速報した(ATel#3611)。このX線新星は銀河面より南に 5.6度ほどの位置にある。


その後、Swift 衛星のX線望遠鏡で決めた位置(右図, 赤x)が確定位置として速報(ATel#3613)された。これは新天体発見後の位置決定における典型的なプロセスである。この真夜中 (米国は昼間)の作業に参加したのはMAXI チームから根来、森井、中平、Swift 衛星チームからはKennea 等であった。

上図はMAXI J1836-194のX線強度変化のデータである。X線は30日初め頃から増加したが、弱いままで推移したため日本時間22時25分(赤い矢印)まで発見が遅れた。しかし、Swift 衛星チームよりも先に発見したため、 MAXI の名前がついた天体になった。X線源はブラックホールか中性子星が関与しているようだが、正体はまだ解っていない。

追記

アメリカのRXTE 衛星の観測(ATel#3618)により、MAXI J1836-194 はブラックホールである可能性が示唆されている。(2011年9月1日 3:00 AM)